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大阪芸術大学「実験ドーム」リニューアル記念・evala × 真鍋大度コラボ作品が公開(2024年5月15日)

2024.05.01

大阪芸術大学のシンボル的存在である半球型サラウンドシアター「実験ドーム」のリニューアルを記念し、evalaとライゾマティクス真鍋大度氏がコラボレーション作品を制作。5月15日(水)に初公開します。

The hemispherical surround theater “Experimental Dome” is a symbol of Osaka University of Arts. To commemorate its renovation, a collaborative work by evala and Daito Manabe will be unveiled on May 15.

音楽家・サウンドアーティストのevalaは、2021年より大阪芸術大学 音楽学科・客員教授に就任し、次世代育成にむけた教育活動にも注力しています。

大阪芸術大学は、1960年代後半にNHK電子音楽スタジオに携わる教授陣が、日本の大学で初めて電子音楽スタジオを設立し、電子音楽や音響工学を専門に学べるコースを設置した歴史ある大学です。1981年、新たな表現を探求するために芸術情報センターに建設されたのが、「実験ドーム」と呼ばれる半球型サラウンドシアターであり、常に最先端の音楽・映像を追求してきた、大阪芸術大学のシンボル的存在です。

この歴史ある実験施設を現代にアップデートすべく、2021年より実験ドーム改修プロジェクトをevalaがディレクターとなり推進してきました。2022年には音響設備をリニューアルし、設立当時のユニークな思想や建築機構を継承しながら、世界最先端の立体音響システムを備え、制作・実演・配信から技術そのものまでを総合的に学ぶことができる施設として生まれ変わりました。

さらに2023年に照明設備と一部映像システムを大規模リニューアルし、「音、光、映像を等価に扱いクリエーションする」という思想のもと、時代の最先端をいく学習環境へとアップデートされました。
このリニューアルを記念し、evalaと、ライゾマティクス主宰でありアートサイエンス学科 客員教授の真鍋大度が、実験ドームを舞台にコラボレーション作品を制作。実験ドームの新設備をフル活用し、そのポテンシャルを引き出す作品を、5月15日(水)に初公開します。

本作品は、同施設のシステムチェックをする”テストパターン”を作品にすることをコンセプトとし、2023年12月より制作を開始しました。制作中の様子は授業の一環として学生に公開しており、5月15日には学生も初めて完成作品を体験します。大阪芸術大学の「実験ドーム」から、世界最先端の視聴覚体験を発信していきます。

In addition to his passion for creating works as a sound artist, evala is also involved in educational activities to foster the next generation of artists. He has been a visiting professor at Osaka University of Arts since 2021, and is the director of the renewal project of the “Experimental Dome,” a historic hemispherical surround sound theater built in 1981 at OUA.

Based on the concept of “creating with sound-light-images in equal measure,” the facility of Experimental Dome was renovated twice in 2022 and 2023 to update it into a leading-edge learning environment. To commemorate this renovation, evala and Daito Manabe, the leader of Rhizomatiks and visiting professor at OUA, created a new collaborative work. This work, which makes full use of the Experimental Dome’s new facilities and draws out its potential, will be unveiled on May 15.


【新・実験ドーム リニューアル内容】


◆音響設備
360°全球サラウンド空間を実現する世界最先端の17.4ch立体音響システムを採用
・空間音響の理想の再生環境とされる”360度全球サラウンド空間”を追求したスピーカーシステムを採用。空間に対し多すぎず少なすぎず、床下を含む17台のスピーカーを均等配置し、4つのサブウーファーを導入しました。

・隣接するプレビュールームには、空間音響制作の理想的かつ柔軟性の高いシステムを採用した8+2.1ch 制作スタジオとなっています。

◆映像設備
外部入力での全天周映像の投影やリアルタイムレンダリングを可能とする新システムを導入

・全天周映像や8Kカメラで撮影した映像も投影可能な映像設備。これまでは特定のフォーマットに合わせた再生しかできませんでしたが、外部入力での全天周映像の投影やゲームエンジン等のリアルタイムレンダリングを可能にする新システムを導入。ワークフローや用途に応じて柔軟に組み替えられ、アップデート可能な設備となりました。

◆照明設備
常設照明をLED照明へ総入替えし、空間への照明を投影/演出できるレーザーやスモークなど新機材も導入

・設立当初より白熱電球照明を使用していましたが、このたびフルカラーLED照明に総入替し、コンピュータや調光卓で照明を自由に制御できるようになりました。作業灯としてのみ使用していた天井照明も、可変ズームのフルカラーLED照明に変更。さらに、スモークマシンやレーザー、UVライトなどの新機材も導入し、様々な演出が可能になりました。

・一般的なドームシアターは映像投影のみがメインで使用されていますが、実験ドームでは映像投影に加え、照明演出によって映像では再現できない視覚現象を生みだす実験制作が可能となりました。

◆連動システム
音響・映像・照明がシームレスにつながり、等価に創作できる環境へアップデート

・これまでは、音響/映像/照明それぞれのセクションが独立し、連携が難しいという課題がありましたが、新システム導入によりタイムコードやネットワーク経由で同期連携が可能となりました。これによって各セクション間でデータの送受信が可能となり、創作の幅を広げると同時に、将来的にバーチャルプロダクション等の拡張にも対応可能となりました。