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「evala 現われる場 消滅する像」がNTTインターコミュニケーション・センター [ICC]にて開催(2024年12月14日〜2025年3月9日)

2024.10.29

12月14日より約3ヶ月間、evalaの大規模個展「evala 現われる場 消滅する像」が東京初台にあるNTTインターコミュニケーション・センター [ICC] にて開催されます。
例年の倍以上の広さの展示空間に、“See by Your Ears”の原点であり2013年にICCで制作された無響室作品シリーズ《大きな耳をもったキツネ》や、その後国内外で発表されてきた作品、さらにICCで最も大きな展示室を全室使用した大型インスタレーションを含む5つの新作を展示。精緻に構築された音響空間のなかで、聴くことと見ることが融け合う新たな知覚体験を提示します。

The large-scale solo exhibition ”evala: Emerging Site / Disappearing Sight” will held at NTT InterCommunication Center [ICC] from December 14, 2024 to March 9, 2025.
The exhibition will feature a new large-scale sound installation that uses the entirety of the ICC’s largest exhibition room, and several other new works, as well as “Otocyon megalotis” which was created at the ICC in 2013 and could be calld the origin of his project “See by Your Ears.” In an intricately constructed acoustic space, audience will have a new sensory experience in which hearing and seeing melt together.


展覧会概要 (ICCウェブサイトより):
いわゆる視覚を中心にした表現領域である「美術(visual arts)」に対し、聴覚を中心にした表現として「サウンド・アート」があります。サウンド・アートでは楽音(楽器で演奏される音)によらない、自然環境音を録音した素材などの、さまざまな音が使用され、「聴くこと」自体を主題とするなどの特徴によって、同じく聴覚による芸術表現である音楽と区別されています。それは、聴くことから広がる知覚世界の提示という側面を持っています。ゆえに、サウンド・アートは、見ることに偏重した美術に対して、もうひとつの見ることを提示する表現でもあると言えるでしょう。

evalaは、2000年代以降、個人としての活動のみならず、多くのコラボレーションを行うなど、幅広い分野で活躍する音楽家でありサウンド・アーティストです。2017年からは、新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「See by Your Ears」を国内外で展開しています。ほぼ音だけで構成されているにも関わらず鑑賞者の視覚的想像力をも喚起する作品群は、既存のフォーマットに依拠しない音響システムを駆使した独自の「空間的作曲」によって、文字通り「耳で視る」ものとして高い評価を得ています。

2013年にevalaと世界的なサウンド・アーティストである鈴木昭男とのコラボレーションとしてICC無響室で制作、発表された《大きな耳をもったキツネ》は、後に「See by Your Ears」となるevalaの活動の方向性を定めた原点と位置づけられる作品となりました。

「evala 現われる場 消滅する像」展は、作家の活動史においても重要な作品を制作するきっかけとなったICCを会場に開催される、「See by Your Ears」シリーズの、本展のための新作を含めた、現時点における集大成となる展覧会です。《大きな耳をもったキツネ》や、そこから発展し多くの国々で発表されてきた作品、さらにICCで最も大きな展示室を全室使用した大型インスタレーションほか、複数の新作によって、精緻に構築された音響空間のなかで、聴くことと見ることが融け合う新たな知覚体験をさまざまな方法で提示します。

開催概要:
evala 現われる場 消滅する像
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]ギャラリーA、B
期間:2024年12月14日(土)~2025年3月9日(日)
時間:午前11時〜午後6時
休館日:毎週月曜日、年末年始(12/28 [土]–1/3 [金])、ビル保守点検日(2/9 [日])他
入場料:一般 1,000円、大学生 800円 (各種割引・無料あり、詳細はウェブサイトより)
詳細:NTT ICC Press Release https://www.ntticc.or.jp/ja/press/2024/press-evala-emerging-site-disappearing-sight/

主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] (東日本電信電話株式会社)、SbYE合同会社
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
協賛:株式会社ソウワ・ディライト
機材協力:株式会社ヤマハミュージックジャパン、株式会社静科、株式会社シンタックスジャパン、株式会社アコースティックフィールド、株式会社エス・シー・アライアンス アルテ社、株式会社SHOUT

evala: Emerging Site / Disappearing Sight
Date: December 14, 2024–March 9, 2025
Venue: NTT InterCommunication Center [ICC] Gallery A, B
Hours: 11:00am–6:00pm
For more details:NTT ICC Press Release(EN) https://www.ntticc.or.jp/en/press/2024/press-evala-emerging-site-disappearing-sight/


展示予定作品:
新作(1)
ICCで最も大きな展示室であるギャラリーA全体を使用して,大型サウンド・インスタレーション最新作を展示します.
展示室の中央には,いびつな構造物が設置されており,来場者はそこに登り,思い思いの体勢で作品を体験できるようになっています.

新作(2)
3面スクリーンが常設された展示室であるギャラリーB6にて,新作のオーディオ・ヴィジュアル作品を展示します.

新作(3)
研究開発中の生成技術を用いて,実験的なサウンド・インスタレーションを制作します.
この試みは,これまでアーカイヴが不可能であった空間音響作品に対し,作家不在でも作品を永続的に継承・制作しうるあたらしいアーカイヴのかたちを探求する実験であり,その最初のスケッチとなります.

《Sprout》2024年(新ヴァージョン)
小さなスピーカー群による“音の芽吹き”シリーズ.
“発芽”という意味の《Sprout》には,“Sp out”というSpeaker outの略語も隠れています.
本展では,シリーズ前作を大きく発展させ,ひとつずつ形状の異なるオリジナルスピーカーを大量に制作し,「菌」のような生命体が空間を覆う新作を構想しています.

《Inter-Scape》2024年(新ヴァージョン)
音と光によるインスタレーション・シリーズ.
美術館のホワイトキューブで展開してきた本シリーズは,evalaがこれまで世界中で拾い集めた音を使用し空間的に作曲した,最新鋭の立体音響による高密度な音と,可視光では得られない反応を見せるブラックライトの光によって構成されます.

《大きな耳をもったキツネ》2013–14年
《Our Muse》2017年
無響室のための立体音響作品シリーズ.
《大きな耳をもったキツネ》は,evalaの故郷である,京都府北部の京丹後でのフィールド・レコーディング音源をもとに,録音場所の空間の残響と反射を擬似的に作り出し,そこに音響的変化を伴う音の運動を構成して作曲しています.2013年から14年にかけて4作品が制作されました.2017年には新たに《Our Muse》を制作.沖縄の御嶽(うたき)という特殊な反響をもった非日常空間でレコーディングした音源をもとに,まるで時空が変容するような高次元的音体験を構築しています.

《Score of Presence》2019年
“音の出る絵画”シリーズ.
空間音響のデータを独自のアルゴリズムによって時空間を縮約/拡張し,視覚化した6つのヴィジュアル・イメージが描かれた絵画は,特殊プリントと平面パネルスピーカー技術の組み合わせによって絵画そのものから音が発せられます.一見,鑑賞角度によって鮮やかに色彩が変化する6枚の絵画が飾られた展示室ですが,そこには見えない音の作品が重なります.

* 2024年10月29日現在の情報です