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インビジブル・シネマ『Sea, See, Sheーまだ見ぬ君へ』が、文化庁メディア芸術祭アート部門にて優秀賞を受賞!

2021.03.12

インビジブル・シネマ(耳で視る映画)をコンセプトにした『Sea, See, Sheーまだ見ぬ君へ』が、第24回文化庁メディア芸術祭アート部門において優秀賞を受賞しました。

●作品概要
完全な暗闇のなかで、「耳で視る」という感覚をもたらす「音の映画」。音だけの世界に約70分包まれることにより、それぞれの観賞者の脳内には、まったく異なるビジョンが浮かび上がる。作者が手掛けたサウンドは、水滴、波音、空間を切り裂くような人工音を響かせ、ミクロとマクロをダイナミックに横断する。上映終盤には、立体音響システムから放たれる高密度なサウンドと関根光才【ルビ:こうさい】による特殊な映像によって、さらに空間としての抽象性を昂進させ、映像よりも鮮明な映画体験が立ち現れる。それらはノイズやアンビエントといった現代音楽を連想させつつも、一般的に想像される音楽とは異なる、プリミティブな音によって構成されたものだ。具体的なイメージにとらわれずに、観客の自由なイマジネーションを刺激する同作は、視覚情報過多の現代において、音の持つ可能性を最大限に引き出した。

●贈賞理由(抜粋)
[…]水の音、風の音、火の音、鳥や獣の咆哮、心音、波の音、木の櫓を漕ぐ音、機械音、女の子の深い溜息、強力な蒸気音、人工音。それらが遠ざかりつつ近づきつつ、周りを取り囲む。時間の向きを見失う作品だ。一般に聴覚は抽象的かつ空間的で、人は自分の記憶によってのみ、そこに具象性を与えることができる。視覚イメージとは対照的だ。いったいパントマイムのサウンドバージョンはあるのだろうか。新生児に音を聞かせると、頭のうしろの視覚野に活性が見られるという。耳で観るとは脳科学的にはおかしくない。僕らも新生児に戻って、新しく知覚体験を始めようではないか。そんな気持ちを引き起こす秀逸な作品だ。(池上 高志)

文化庁メディア芸術祭ウェブサイト
https://j-mediaarts.jp/award/single/sea-see-she-to-you-who-is-yet-to-come/

CREDIT:
音楽・音響・監督|evala
演出|関根光才(NION)
音響|久保二朗(ACOUSTIC FIELD Inc.)
照明|2bit
舞台監督|イトウユウヤ
宣伝美術|田中良治(Semitransparent Design)
プロデューサー|田崎佑樹(See by Your Ears)、高橋聡(NION)
広報|入江好美(See by Your Ears) 
制作|清水聡美(See by Your Ears)
協力|NION、Whole Universe、Meyer Sound
会場協力|株式会社ワコールアートセンター
製作・主催|See by Your Ears